Blu-rayレコーダーの選び方
はじめに
Blu-rayレコーダーは、2003年にDVDレコーダーの次世代版として登場し、テレビが地上デジタル放送に移行したのをきっかけに急速に普及しました。
地上デジタル放送はハイビジョン画質であるため、これまでのアナログ放送と比べて情報量が非常に多いという特徴があります。
地上デジタル放送への移行当時、ハイビジョン画質のきれいな映像を100%再現できるテレビが爆発的に売れたのです。次いで、ハイビジョン画質に対応している録画機が注目を浴びるようになり、Blu-rayレコーダーが広まりました。
Blu-rayレコーダーは、従来のDVDレコーダーとして使えることはもちろん、DVD(Digital Video Disc)の次世代版のBD(Blu-ray Disc)への録画や記録ができることが大きな特徴です。現在では、Panasonic、Sony、SHARP、東芝といった国内の主要メーカーから様々な機能や特徴のあるBlu-rayレコーダーが発売されています。録画した番組やハイビジョン画質の映像を存分に堪能するためには、機種ごとの特性を知り、ご自身に合ったBlu-rayレコーダーを選ぶ必要があります。
では、実際にどのような機能があるのか、メーカーや機種ごとにどういった特徴があるのかを詳しく見ていきましょう。
Blu-rayレコーダーの選び方
HDDの容量で選ぶ
HDDの容量は、おおよそ500GB(ギガバイト)~7TB(テラバイト)までと、Blu-rayレコーダーによって大きく幅があります。
また、Blu-rayレコーダーの値段はHDDの容量に大きく影響されるため、重視しておきたいポイントです。HDDの容量が少ないものを選べば値段を抑えることができますが、それに比例して録画できる時間が短くなります。たくさん録画したい方や長期間保存しておきたい方は、ある程度の容量のあるものを選ぶことをおすすめします。
録画可能時間としては、メーカーごとに若干の差はあるものの、画質を維持した状態で録画するDRモードで録画した場合、約10GBで約1時間が目安です。
例えば、1時間の番組を1~2週間で20本程度録画し、視聴してすぐ消すという方は500GBのBlu-rayレコーダーで十分足りるでしょう。しかし、1~2週間で30本以上録画する方や、録画してもなかなか視聴する時間が取れないといった方は、1TB程度のものがおすすめです。
また、もっとたくさん録画したい方や録画した番組をHDD内に保存しておきたい方は、最低でも1~2TB以上のものを選んだほうが良いでしょう。
容量を節約する方法としては、AVC録画機能という倍速で録画できる機能があります。
AVC録画機能で録画すると、画質は落ちますが容量を節約することができます。ただ、5倍モードまでが限度で、それ以上に倍率を上げてしまうと画質がかなり落ちて、本来の画質が損なわれてしまいます。そのため、元の画質を存分に楽しみたい方は、HDDの容量が大きいBlu-rayレコーダーを選んだほうが良いでしょう。
そのほかにも、録画した番組をBlu-rayディスクにダビングして残しておくのも方法の一つです。録画した番組をBlu-rayディスクにダビングしておけば、HDD容量に余裕を持たせることもできます。さらに経年劣化の心配もないため長く保存することができます。
Blu-rayディスク自体は25GBのものが1枚100円程度と、手頃な値段で購入できます。保存しておきたい番組が少ない方や、録画した番組をたくさん保存してコレクションしたい方はBlu-rayディスクを併用するのもおすすめです。
また、外付けのHDDを接続できるBlu-rayレコーダーもあります。とにかくたくさんの番組を録画したい場合には、外付けのHDDを使ってみてはいかがでしょうか。
チューナー数で選ぶ
チューナー数とは、同じ時間に放送されている番組を録画できる数のことで、搭載しているチューナーの数はBlu-rayレコーダーによって異なります。あとから増やすことができないため、慎重に選ぶ必要があります。
チューナー数は、「シングルチューナー」、「ダブルチューナー」、「トリプルチューナー」が主流です。例えば、ダブルチューナーの場合、同じ時間に放送されている番組を2つ録画することができます。
録画したい番組が重なったり、家族と見たい番組が重なったりしてしまう場合には、チューナーが2つもしくは3つ搭載されているBlu-rayレコーダーを選ぶと良いでしょう。
中には、これまではあまり録画をしなかったからという理由でシングルチューナーを選んでしまう方もいますが、実際にBlu-rayレコーダーを購入すると、録画する番組が増える方もいます。
また、シングルチューナーの場合、テレビ局の時間差放送により一部録画できない場合があります。例えば、ある局の21:00~23:10の番組と、別の局の23:00~23:30の番組を録画しようとすると、重なっている23:00~の10分間は録画できないことになります。
そのため、確実に番組を録画したい場合には、少なくともダブルチューナーのものがおすすめです。
機能で選ぶ
◇再生機能
再生機能としてチェックしておきたいポイントは、二つあります。
一つは、ダイジェスト再生機能の有無です。
この機能は、スポーツの得点シーンなど、番組が盛り上がっている場面をBlu-rayレコーダーが自動で判別し、再生してくれる機能です。この機能を搭載しているメーカーは、Sonyと三菱です。番組の見所だけをチェックしたいという方や、忙しくてゆっくり試聴する時間が作れない方にもおすすめです。
もう一つは、Blu-ray3Dソフトの再生ができるかどうかです。
最近では3D作品の映画が増えているため、今後Blu-rayのソフトも3Dのものが増えていくと予想されています。もちろん、3Dに対応しているBlu-rayレコーダーは通常の2Dのソフトも再生できるため、映画をよく観る方は3Dに対応しているものがおすすめです。
◇リンク機能
リンク機能には様々なものがありますが、一般的なのはHDMIリンクです。
HDMIケーブルでテレビとBlu-rayレコーダーを接続すれば、片方の電源を切るともう片方の電源も連動して切れるという機能がメジャーです。この機能は、テレビとBlu-rayレコーダーが他社製品でも利用できる場合がほとんどですが、同じメーカーにすると、より細やかな連携機能が使えるというメリットがあります。
そのため、特別な理由やこだわりがなければ、テレビとBlu-rayレコーダーのメーカーは揃えたほうが良いでしょう。
◇DLNA(Digital Living Network Alliance)対応
ネットワークリンクの規格であるDNLAを通してBlu-rayレコーダーをネットワークに組み込むと、Blu-rayレコーダーが置いてある部屋以外のテレビでも、放送中の番組や録画した番組を視聴することができるようになります。また、外出先でもスマートフォンを通してBlu-rayレコーダー本体に録画した番組を楽しむことができます。
この機能を使う場合、無線ルーターなどにBlu-rayレコーダーとテレビをLANケーブルで接続する必要があります。また、この機能はメーカーによって名称が異なり、Panasonicでは「お部屋ジャンプリンク」、Sonyでは「ソニールームリンク」といわれていますが、機能としては同じものです。
現在ではDLNA対応のBlu-rayレコーダーが主流になっていますが、対応していないBlu-rayレコーダーもあるため、購入する際には確認をしたほうが無難でしょう。
◇スマートフォン、タブレット連携機能
スマートフォンやタブレット端末をBlu-rayレコーダーと連携すると、以下のことができるようになります。
1. 外出先から放送中の番組を視聴する
2. 録画予約をする
3. 録画した番組を視聴する
4. スマートフォンやタブレット端末にダビングする
この機能は、メーカーごとに連携の仕方や対応の可否が異なります。
例えば、PanasonicはiPadでの操作に対応しています。
Sonyは、専用のアプリをインストールすることで連携できます。
SHARPは、AQUOS PhoneやAQUOSという液晶テレビとの連携が充実しています。
メーカーによって対応機種と機能に違いがあるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
◇接続端子
接続端子は、番組や映像を普通に録画・再生するだけであれば、HDMI端子があれば問題はありません。
しかし、Blu-rayレコーダーを外部周辺機器に接続して使用したい場合には、他の接続端子も必要になります。
例えば、Blu-rayレコーダーをインターネットに接続してYoutubeやニコニコ動画などの映像を楽しみたい場合にはLAN端子が必要になります。また、本格的なサウンドを楽しみたい方は、外部スピーカーと接続する光デジタル音声出力端子もしくは同軸デジタル音声出力端子が必要になります。
外付けのHDDやパソコン、スマートフォンなどと接続したい方は、USB端子が接続できるBlu-rayレコーダーがおすすめです。
メーカーで選ぶ
◇Panasonic
Blu-rayレコーダーのシェア率No.1のPanasonicは、使いやすさはもちろん、画質の良さにも定評があります。中でも、DIGAシリーズは有名で、UltraHD Blu-rayにも対応しているため、4Kの映像やテレビ番組、映画を高音質・高画質で楽しむことができます。
また、Panasonicは小型化にも力を入れており、最近では縦置きタイプのスタイリッシュなデザインのものもあります。
◇Sony
Sonyは、Blu-rayレコーダーを最初にリリースしたメーカーで、BZDシリーズで有名なメーカーです。
BZDシリーズには便利な機能が豊富に搭載されており、録画予約の回数ランキングや視聴回数をチェックできる機能など、他社にはない独自の機能を搭載しています。
高い映像処理技術も健在で、直感的な操作もできることから人気のあるメーカーです。
◇SHARP
SHARPはAQUOSシリーズが有名で、他社のBlu-rayレコーダーよりもシンプルで操作しやすいことから、機械が苦手な方でも安心して使うことができます。
AQUOSテレビに接続すると、自動的に高画質に調節してくれます。また、SHARP独自のドラ丸機能は、ドラマだけをリストアップし、連ドラを自動で録画してくれる便利な機能です。
◇東芝
東芝は、録画容量と録画性能に優れているため、テレビ番組をたくさん録画したい方に人気のメーカーです。
東芝の有名機能であるタイムシフトマシン機能は、地上デジタル放送の番組を最大6チャンネル、約80時間丸ごと録画し続けることができます。また、編集機能も優れているため、CMをカットするなどの簡単な映像編集も、パソコンなしで行うことができます。
まとめ
今回は、Blu-rayレコーダーの選び方をお伝えしてきました。
最低限、録画と視聴ができれば良いという方は、HDDの容量と値段をチェックすれば十分ですが、画質や音質、便利な機能といった様々なチェックポイントがあることもお分かりいただけたのではないでしょうか。
Blu-rayレコーダーを選ぶ際にこれらのポイントも考慮すれば、録画した映像をより楽しむことができます。
これからBlu-rayレコーダーの購入を検討している方は、ぜひ参考にして、ご自身にぴったりの1台を見つけてください。